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メールマガジン

2021年3月号 (第183号)

技術の玉手箱 /  タップの使い分け

3月26日はオーエスジーの創立記念日です。

1938年に大沢螺子研削所として生まれ、1963年に社名をオーエスジー株式会社に改称して現在に至ります。

3月26日の創立記念にあやかって、今月号は玉手箱が2005年に創刊した当時の初代担当者、五十嵐に1号限りの復帰をしていただきます!

それではどうぞ!



皆さま、こんにちは。そして、以前からOSGのメールマガジンをご愛読くださっている方には、お久しぶりですっ!技術の玉手箱、初代担当者の五十嵐と申します。

私が玉手箱を担当したのは、創刊号 2005年10月から2014年1月までの100話。実に8年と4ヶ月、楽しく読めて、何かお役に立つ情報をお届けしたい、と毎月書き続けました。 「玉手箱」という名前にもそんな想いが込められています。

『何が入っているかわからない』

『あけたら何かいいことがあるかもしれない』

そんな気持ちで読んでいただけたらいいな、と思ってこの名前にしました。候補のひとつに「技術の闇鍋」というのもあったのですが、「玉手箱」でよかったなと思います(笑)

でも、難しい言葉や解説では楽しくないし、頭にも入ってきませんよね?

お仕事にまだ慣れない新人さんにも楽しく読んでいただけるよう、できるだけ専門的な表現を避け、わかりやすくお伝えすることを心がけていました。

浦島太郎の玉手箱は開けたらお爺さんになってしまうびっくりアイテムでしたが、OSGの技術の玉手箱は、読む前より少しだけ知識が増えたり、再確認できたり、話題ができたりするツールのひとつとして皆様に愛され、今でもずっと続いていることは本当にうれしいです。ご愛読いただいている皆様に心より感謝申し上げます。

そして、これからもどうかよろしくお願い致します。




いかがでしたでしょうか。これからも玉手箱創刊時の初心を忘れず、皆様に楽しく、分かりやすくお役に立てる情報をお届けし続けたいと思います。

それでは今月の闇鍋……いえ玉手箱は「タップの使い分け」をテーマにお届けしたいと思います。

タップを選定する際には、ねじの形状、ねじの深さ、被削材、切削油剤などの加工環境といろいろと考えるべき要素があります。安全にトラブル無くかつ能率よく加工するためにタップの使い分けに悩まれることもあるかと思います。

ここでは、「スパイラルタップとポイントタップはどのように使い分けるのか?」とよくご質問いただく内容についてお話ししたいと思います。

まず簡単にスパイラルタップとポイントタップの特徴を下記にまとめてみました。

2つのタップを比較すると、切りくずが排出される方向が異なり、対応できるねじ形状も異なることがお分かりいただけると思います。

ポイントタップは切りくずを前方に排出するので止り穴に使用すると切りくずが下穴にどんどん溜まり、切りくずが処理できずに折損につながるため、止り穴には使用できず通り穴専用のタップと言えます。

スパイラルタップは切りくずをシャンク側に排出するため止り穴にも、通り穴にも使用できます。と考えると通り穴も止り穴もスパイラルタップにすれば問題無いのでは……とお考えになるかもしれません。

もちろん問題は無いのですが、スパイラルタップは切りくずがねじれた狭い溝を通って排出されるため切りくずを排出する途中に切りくずを噛み込んで、タップが折損したり、刃欠けを起こすリスクがポイントタップよりも高くなります。

このことから、通り穴はポイントタップ、止り穴はスパイラルタップを使い分けることで加工時のリスクを小さくすることが可能です。

ちなみに、オーエスジーが扱うタップ形状(スパイラル・ポイント・ハンド・溝なし)の中で一番使用されているのは「スパイラルタップ」なんです。

そのスパイラルタップに、「EXZ-SFT」が新しく加わりました。玉手箱の中でもご紹介しましたスパイラルタップの「欠け」の問題を解消できるスパイラルタップです。現在、発売記念キャンペーンを行っていますので、是非ご確認ください。

技術の玉手箱はWEBセミナー「ランチタイムセミナー」でもご覧いただけます。今回の内容は2021年3月24日(水)12:20~12:35にお届けします。無料でご参加できますので是非お申込みいただければと思います。※残念ながらWEBセミナーには五十嵐は登壇しません。

お申込みはOSG WEB SHOWROOMからお願いします。

K爺のイチオシ /  SynchroMaster

謹啓、浅春の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

今月は、我々オーエスジーの創立記念日がございます。我々が創業したのは1938年3月…そんな昔に思いを寄せながら、少し趣向を変えて、今月のイチオシでございます。

大先輩E
「最近の若いもんはホント大変だなぁ…あれじゃ、衝撃で首が折れちまうよ。お気の毒なこった。俺たちの若え頃はよぉ、ホント良い時代だったぜ。」

大先輩は続ける。

大先輩E
「シンクロとかリジットとか呼ばれる“完全同期機構”なんて存在しなかったからな。だいたいマシニングセンタも無かったし、だからタップ加工と言えば手立てかボール盤だった。

せいてんする(正転する)
きりはじめる(切り始める)
とまる(止まる)
ぎゃくてんする(逆転する)

どれもゆっくりだったもんだ。それが今じゃ……

止まっている状態から一気に回転を上げられて、ワークに食いついた!と思ったらすぐ停止だ。それも超急ブレーキで止められちまう上に一気に逆回転だってんだから、たまったもんじゃねぇ。物理でも、“慣性の法則”とか“モーメント”とか言うじゃねぇか?そういう自然の理ってもんを無視して、

ハイっ、正転!
それっ、切削!
一気に、逆転!

って、どれも瞬殺じゃねぇか!余韻なんて一切ねぇ。比較するとこんな感じだな。忙(せわ)しねぇ時代になっちまったもんだ!」

後輩A
「先輩、お気遣いありがとうございます。先輩はご存知ないかもしれませんが、今は、先輩が気にしてくださった、首が折れるような衝撃(スラスト荷重)から身を守ってくれる、魔法みたいなツーリングがありまして……こちらをご覧ください」

と後輩は説明を始める。

あ!申し遅れましたが、タップ同士の会話でして……
先輩は汎用のEX-タップシリーズ、後輩はA-タップシリーズの会話でございました。

魔法みたいなツーリング……それはSynchroMaster

■タップの突発的な折損を防止したい
■タップ寿命を安定させたい
■ねじ品位を向上させたい
■難しいショートチャンファ(食い付きの短いタップ)での加工も安定加工にしたい

等々、タップ加工の更なる安定化に、新しいサイズを追加してお応えいたします。

本稿も皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。

謹言

追伸

そう言えば、汎用のEX-SFTシリーズに直系の後輩、ニューバージョンが追加されました。その名もEXZ-SFT。EX-SFTとA-SFTの中間的な立ち位置のこの新しい後輩、EXでもAでもないな…そんな時ご検討頂ければ。

英語ワンポイント /  Call it a day

Call it a day
「(その日の仕事などを)終わりにする」「切り上げる」

本日のメルマガ編集部は終日オンラインミーティング。幾つかの議題が予定されている中、何度目かの休憩を挟んで、再開です。

けんさん:
えー、本日4つ目の議題となりますが、よろしくお願いいたします。
それでは、新企画について。

さらちゃん:
はーい、よろしくお願いします!
マサコちゃん、大丈夫?

マサコちゃん:
はい、大丈夫でーす。
あれ?けんさん、背景画面が変わりましたね!
よくある会議室の壁紙になってる!どうしたんですか?

けんさん:
お?やっと気づいた?
最近オンラインにも慣れてきてし、勉強して色々と出来ること増えたんだよね(^^)v

それに……
思い返せば悔しいかな、ぼくの部屋の趣味は君たちに不評だったからねぇ…プンプン
(詳しくは2020年6月号をご参照ください)

ところでさらちゃん、どうして家なのにマスクしてるの?

さらちゃん:
え?あ、うん、いろいろ面倒で……
って、そんな事より、さっさと始めましょ!

けんさん:
はいはい。では新企画の話ですが……

(1時間後)

はい、皆さんありがとうございました。
なんか調子出てきたぞ!
せっかくだから、もう一つの議題も続けてやろうか?

さらちゃん:
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!

「Let’s call it a day.」
(今日はもう終わりにしましょう)

けんさん、もう終業時刻ですよ、終業時刻!残業はダメです!それに…
私たちこの後予定があるんです。ね、マサコちゃん!
じゃ、お疲れ様でした!さようなら~~~
(無情にもさっさと退出ボタンを押すさらちゃん)

けんさん:
へっ?私たち?
マサコちゃん!ボクはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?

マサコちゃん:
オンライン女子会ですからね。もちろん、けんさんはNGです!(笑)
では、お疲れ様でした!
(同じくさっさと退出ボタンを押すマサコちゃん)

けんさん:
あ、ちょ、ちょっ、ちょっと待って!待ってよおぉーーーーーーーーーーーーーーーーっ!

オンライン会議には慣れてきたものの、さすがにオンライン女子会には誘ってもらえず、一人取り残されるけんさん。密にしてもらえる日は遠そうです……笑笑

橘:
先輩、お久しぶりです!今日は色々懐かしいお話をお聞かせくださいね。
注:初代編集長は、我々編集部のあるフロアの誰もが、親しみを込めて「先輩」と呼ぶ

先輩:
うん、何なりと聞いてくれ給え。

橘:
では、折角ですから、先輩が初代メルマガ編集長になった大元のきっかけ、
入社のお話からお願いできますか?

先輩:
は?また古い話から訊いてくるなぁ……

橘:
こんな機会めったにないですから!
その昔、先輩がまだお若い頃
(随分、失礼な言回ししちゃった私(^^;))
オーエスジーはどんな会社だったんですか?とっても興味深いです!

先輩:
その昔?そうねぇ、確かに今となってははるか昔だなぁ……
私が縁あってオーエスジーに入社したのは昭和50年代の半ばだからね。

正確にはオーエスジーではなく、今は無き販社、オーエスジー販売だけど。
そう、販社入社組ですからこう見えても私、営業上がりなんだよ。知ってた?

橘:
え?そうだったんですかー?
(大丈夫です!どっからどう見ても理系のエンジニアには見えません。
先輩は生粋の元営業マンにしか見えませんよ!の声は胸の内にそっとしまって……笑)

先輩:
そう、やっぱり知らなかった?そうだよね

橘:
……
(いや、うすうす知ってたし、このくだり、要る話かしら?のセリフも胸の内に…苦笑)

先輩:
でね、大きな声じゃ言えないけど、
オーエスジー販売って最初は外資系の商社だと思ってたんだよね。

オーエスジーって名前がさ……日本の会社じゃないみたいじゃん?
加えて、実は入社してからも。ハハハハハ……
と、一人大笑いの先輩。

橘:
…………
(マジで?入社前ならいざ知らず、入社した後も?!
どんだけー!
とツッコミたい気持ちをぐっと抑えて・・・再び苦笑)

先輩:
なんでだと思う?
それはさあ、先輩営業マンの営業車が外車だったからなんだよね。

橘:
へっ?営業車が外車?
(再び、マ、マジかぁ?
ごく普通の、しかもどちらかと言えば地味な業界の会社の営業車が外車?
先輩、もしかして記憶が混乱してる???
こ、これは、もしかしたらインタビューどころじゃないかも…)
と少し不安になる私。

先輩:
当時のオーエスジー販売の営業車は、
フォ〇クス〇ーゲンのゴ〇フだったんだよね。

橘:
え?
ゴ、ゴ〇フ?
ホ、ホントですかーーーっ?凄おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!
でも、な、なんでゴ〇フだったんですか?

先輩:
現地・現物・現場主義の我々営業マンは、とにかくよく走ったんだよね。
あ、マラソンじゃないよ!ハハハハハ……
と、再び一人大笑いの先輩。

橘:
…………………

先輩:
当時は今みたいに営業マンもいないし、
営業所も少なかったから、一人の担当エリアが広かったんだよね。

だから走行距離が長くて長くて……
年に5~6万km走る人もいたかな?
会社は、そんな我々に負担の少ないよう、
オートマチックの営業車を用意してくれたんだよね。

加えてディーゼルエンジンで経費にも優しい車。
当時は、オートマチックトランスミッションでディーゼルエンジンの車が国産にはなかったから、
結果、フォ〇クス〇ーゲンのゴ〇フが採用になったんだって!

橘:
でぃ?ディーゼル?

先輩:
そう、ディーゼル。
今だとトラックやバスくらいだよね?ディーゼルエンジン積んでんの。
そう、あの軽油で走るヤツね。
少し前だとドイツの高級車にもクリーンディーゼルなんてあったけど。

で、昔は営業車もトラックみたいに軽油の車が多かったんだよ。
今じゃ考えられないけどさぁ…まあ、1980年初頭の話だから。
あれから40年、今の営業車は大半ハイブリッド、近い将来は電気自動車なんだろうね。

って、オンライン面談ばかりになって、
営業車なんて言葉も死語になっちゃうかもね!
そうそう、車って言えばさぁ……
先輩の車談義は止まらず(^^;

す、すみません!メルマガの秘話なんかが聞けたらと思っていたのですが、
先輩があまりに楽しそうにお話されるので切り上げられず……
今回は、遥か昔の昭和の働く雰囲気とか、
オーエスジーのちょっと意外なエピソードでお許し頂き、メルマガの秘話はまたの機会に<(_ _)>

最後までお読み頂きありがとうございます。

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