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2025年11月号 (第236号)

技術の玉手箱 /  深~い加工の話②ドリル編

先月からお送りしております“深~い加工シリーズ”、続く第二弾は「ドリル」です。

ドリルによる穴あけは業種を問わず日常的によくみかける加工です。どの現場でもドリルの一本や二本はすぐに見つかることでしょう。

ドリルには目的とする「穴の径」にあわせて大小さまざまな直径が存在しますが、「穴深さ」についても同様にニーズに応じた長短いろんなバリエーションが用意されています。

例えば髪型にベリーショート、ボブ、セミロング、丸刈り、スキンヘッド(!?)といろんな表現があるように、ドリルではスタブ、ショート、ミディアム、レギュラ、セミロング、ロング、エキストラロング……etc、さまざまな呼称がメーカごとに古くから使われています。

JIS規格(B0106)では直径の4倍以上の穴あけを「深穴」と定義していますが、当社では実際の加工特性に照らし、概ね5倍以上としてとらえています。

当然ながら深穴となれば「ロング」ドリルの出番!……ということになるわけですが、注意したいのは「ロング」仕様といってもメーカ間で設定寸法が統一されているわけではなく、それぞれ異なるという点です。メーカを替える際など、特に溝長が加工深さに対して不足していないか、しっかり確認しましょう。

当社では加工する穴深さに対して、切りくず排出および切削油供給のためのスペースとして、プラス1.5D~2D程度(Dは直径の意)を加えたドリル溝長を備えておくことを推奨しています。

なお、近年は加工する穴深さに適したドリルを迷いなく的確にお選びいただけるよう、対応可能な深さを一目で識別できる呼称の採用が当社を含めた業界全体で進みつつあります(例:ADOX-30D:直径の30倍の深さまで加工可能)。

さて、深穴加工において最も問題になるのが切りくずの排出です。スムースな排出ができずに詰まりが発生すれば最悪の場合、折損トラブルにつながります。

深穴用ドリルの基本的な使い方をご紹介しましょう。

内部給油機構を備え、十分なクーラント圧(3MPa以上)があれば油穴付きドリルを用いることで基本的にはノンステップ加工が可能です。

十分なクーラント圧が得られない(3MPa未満)環境の場合は、約5Dまでノンステップ加工の後、より確実な切りくず排出のために1~2Dずつステップ加工を加えるとよいでしょう。

外部給油の場合はステップ加工が前提となります。立形・横形設備ともに、約3Dまではノンステップ加工、その後は0.5~1Dずつステップ加工を推奨します。

ただし、使用するドリル径が小径(φ3以下)の場合は切りくずボリュームを抑えるためにステップ量を約0.5Dに控えるとよいでしょう。

また、10D超えの深穴には短いドリルにて事前のガイド穴を設けるとより安定します。※お使いいただくドリルに推奨加工方法が設定されている場合はそちらを優先ください。

ただでさえ簡単ではない深穴加工ですが、最近はそこに輪をかけて被削材の難削化や小径化の傾向も強まっています。解決策にお悩みの際はぜひお気軽に当社へご相談ください。

K爺のイチオシ /  ADOX

謹啓、向寒の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

早速でございますが、今月のイチオシは玉手箱を踏まえてドリルから、また、とある想いを込めて、先月発売された新商品の高性能油穴付き超硬ドリル『ADOXシリーズ』をお届けしたいと存じます。

まずは、何が高性能なのか?以下に要約してみました。

1. 工作機械の高圧クーラントポンプの消費電力量を削減

下記グラフは、従来品とADOXで同等のクーラントを吐出して15穴加工した際の消費電力量を比較した結果でございます。約2,000ml/minのクーラントの吐出量を実現する為に必要なクーラント圧が、従来品では5MPa必要であったの対しADOXでは1.75MPa、消費電力量は56%低減されたのでございます。

2. 低いクーラント圧でも十分な吐出量で長寿命

こちらは、クーラント圧1.5MPaと低いクーラント圧での加工において、ドリルの耐久性が向上できた事例でございます。従来品では0.13ml/minであったクーラント吐出量が、ADOXではおよそ3倍の0.4ml/minまで増加し、結果、ドリルの耐久性も大きく向上したものでございます。

3. クーラントの吐出量が増えて長寿命

こちらは、2とは逆に元々充分なクーラント圧がある中、更にクーラントの吐出量が増えて工具の耐久性が向上した事例でございます。同じ4MPaのクーラント圧でも、従来品が0.23ml/minの吐出量であったのに対し、ADOXでは0.7mi/minまで増加し、ドリルの耐久性も2倍近く伸びていることがお分かりいただけるかと存じます。

続いて、以上の消費電力量を削減し、高い耐久性を実現する高性能がどう実現されたのか?ADOXの特徴的なスペックをご覧いただきたいと存じます。下図はカタログからの抜粋でございますが、一番特徴的なのは独創的なオイルホール形状にございます。

このオイルホール形状がクーラントの吐出量を増やし、上述のような効果を生んでいるのでございます。詳細はカタログを参照頂ければと存じます。

最後に、ラインナップを確認したいと存じます。以下は、先行品となるADOシリーズ(2016年11月発売開始)とサイズラインナップ数を比較した表でございます。ADOXシリーズはクーラントの吐出量で問題が生じ易い小径(Φ6以下)を中心にしたラインナップとなってございます。

3D5D8D10D15D20D25D30D40D50D総計
ADO22825218314213213213110123261,350
ADOX3431132327251420187


先行品であるADOシリーズの全サイズが網羅できるラインナップであるのが理想的とは存じますが、残念ながら、全てを網羅するにはまだまだ様々な課題がございます。今はまだ少ないラインナップではございますが、耐久性向上や消費電力量の削減等、環境に優しい工具として紹介させていただきました。

度々のわたくしごとで恐縮でございますが、無責任に、そして無条件に可愛い(^^;孫娘の初めての誕生日が近づいておりまして、プレゼントは何にしようか?と浮かれている日々でございます。そんな訳で、大人としての責務を感じつつ、彼女の将来の自然環境に優しくありたい想いで今月のイチオシをお届けいたしました。本稿も皆さまのSDGsな課題解決として、また、お仕事の付加価値や生産性の向上に貢献できれば幸いでございます。

謹言

OSGお土産100選 /  カエルまんじゅう

OSG月刊メールマガジン「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。

今回、ご紹介するお土産は、名古屋営業所の伊藤より推薦の「カエルまんじゅう」です。

推薦コメント:
「カエルまんじゅう」は、青柳ういろうで知られる明治12年(1879年)創業の名古屋の老舗和菓子店「青柳総本家」が販売するおまんじゅうです。

立体的なフォルムに、焼印で付けられた目や口がなんとも愛らしく、お土産にぴったり。

お店のロゴマークとなっているカエルをモチーフとし、「旅先や出張から無事カエル」の語呂合わせで誕生したお菓子です。

よく見ると、カエルの表情がそれぞれ違うのをご存じでしょうか。

思わずほっこりしてしまうカエルさんですが、一つひとつ職人さんが小手で手書きしているため、同じ顔はひとつとしてありません。

カステラ生地の中に、みっちりと詰まったこしあん。

お味は例えるなら「ひよ子」の黄身あんをこしあんに変えたような感じです。

しっかりした甘さで、和菓子らしい“お茶請け”といったところ。紅茶やコーヒーにもよく合います。

実は名古屋限定でCMも流れていました。皆さん知っていますか?「山かいて山かいて、池ひとつ、てんてん、お目めにっこり笑って、カエルまんじゅう出来上がり♪」名古屋の人ならみな歌えるほどの定番名物ですね。私も小さい頃よく口ずさんでいました(笑)

名古屋にお越しの際は、ぜひ皆さんもお手に取ってお召し上がりください!



青柳総本家
公式サイト
オンラインショップ

名古屋営業所社員一同(下段中央が伊藤)

名古屋営業所社員一同(下段中央が伊藤)

こんにちは!名古屋営業所の伊藤愛里(いとう あいり)と申します。

愛知県名古屋市出身で、高校までバスケットボール、大学ではアメリカンフットボールのスポーツトレーナーとして活動し、スポーツ漬けの日々でした。

趣味は野球観戦や旅行など沢山あります。

野球は、生まれ育った地元とは違いますが、横浜DeNAベイスターズの応援にどっぷりハマってします(笑)毎月現地の横浜へ応援しに行っています!沖縄キャンプも行こうと思っているところです♪他球団も試合を観ているので、野球好きな方ぜひぜひ沢山お話ししたいです^^

そして旅行では、ヨーロッパやオーストラリア含め海外旅行も行っています!

国内旅行はあと数県で47都道府県制覇できます!これからも色々な地に足を運び、様々な景色を見に行きたいと思っているので、各地おすすめのスポットやグルメあれば是非とも教えてください^^

お気づきの方もいるかと思いますが、アクティブに動き回るのが私の特徴です!

お客様のところへも沢山足を運び、お役に立てるよう行動しつづけます。学びの日々で沢山刺激を受けながら、“明るく楽しく元気よく”を忘れず、笑顔で活動します!

今は社会人1年目で周りの方の力を沢山お借りし、ご迷惑をかけてばかりですが、はやく1人前になれるよう精一杯頑張ります。

これからも何卒よろしくお願いいたします。

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