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2021年10月号 (第190号)

技術の玉手箱 /  アルミの特性と工具選定のポイント

今回の玉手箱は、皆さんの身近にも多く存在している金属の「アルミ」、正式には「アルミニウム」をテーマにお届けしたいと思います。

ところで、金属の名前がアルミニウムとかマグネシウムのように「○○○ウム」が多いと感じたことはありませんか?これは新しく発見された元素の名前の最後に「ium」をつける国際的なルールがあるからだそうです。例えば、理化学研究所の森田浩介さん率いるチームが発見・命名し、2016年11月に新元素として国際的に発表された「ニホニウム(nihonium)」にもしっかり「ium」がつけられていますね。ご興味がある方は元素の周期表(すいへーりーべ……のあれです)を見ていただくと「○○○ウム」だらけなのがお分かりいただけるかと思います。

話がいきなり脱線しましたが、話を「アルミ」に……いえ「アルミニウム」に戻したいと思います。

アルミニウムの特徴については、一般的に金属の中では軟らかく被削性は良いと言われます。ただ、お客様から溶着などの加工トラブルの相談をよくいただく被削材でもあります。切削加工を考える時は下記のようにアルミニウムを3種類に分けていただければと思います。

 1.アルミニウム合金展伸材(圧延アルミ)
 2.アルミニウム合金鋳物・ダイカスト(アルミ鋳物)
 3.難削のアルミニウム合金

では、それぞれの特徴と工具選定のポイントを説明していきます。

1.アルミニウム合金展伸材(圧延アルミ)

A2017、A2025(超ジュラルミン)、A5052、A7075(超超ジュラルミン)に代表される軟らかくて切りくずが繋がる被削材です。ただしA7075などS45Cと同程度の強度を持つものもあり、工具寿命が短くなることがあります。Aの後の4桁数字で種類が変わりますが、いずれも切れ味を重視した工具の選択が必要です。軟らかいが故に、溶着のトラブルが起こりやすいため、溶着防止効果と薄膜で切れ味を保つことができるDLCコーティングの工具がより良い工具選定と言えます。

2.アルミニウム合金鋳物・ダイカスト(アルミ鋳物)

AC4C、ADC12に代表される、軟らかいが、切りくずは繋がらず細かくなる被削材です。特にADC12にはSi(ケイ素/シリコン)が多く含まれるため、工具の摩耗が進行しやすいという欠点があります。そのため切れ味に加えて耐摩耗性が重要になります。アルミニウム展伸材と同様に切れ味を重視した工具を選定ください。加えて溶着防止と工具摩耗を考慮して、DLCコーティングもしくはダイヤモンドコーティングを選定することも有効です。切りくずが細かくなることからタップはハンドタップ形状の「ダイカスト用タップ」をご用意しています。

3.難削のアルミニウム合金

1つはAC9AやADC14などハイシリコンアルミと呼ばれる、ケイ素(シリコン)の含有量が高い被削材です。ケイ素含有率が14~16%を超える被削材は、工具が非常に早く摩耗してしまうため、ダイヤモンドコーティングやPCD工具の選定が必須と言えます。
もう1つは、アルミニウム青銅です。「アルミニウム」と「銅」ですから軟らかそうなイメージをしてしまいそうですが、硬度が高いため調質鋼用の工具の選定が必要です。

アルミニウムと言っても、ひとくくりに考えてしまうと、特性の違いによって思わぬトラブルにつながる可能性があります。アルミニウムの種類に合わせて最適な工具を選定していただければと思います。

技術の玉手箱はWEBセミナー「ランチタイムセミナー」でもご覧いただけます。今回の内容は10月26日(火)12:20~12:35にお届けします。
無料でご参加できますので是非お申込みいただければと思います。お申込みはWEB SHOWROOMからお願いします。

謹啓、爽秋の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。今月は半年前にさらっと紹介させて頂いたアレをもう少し深掘りしてご紹介を。と、その前にこちらをご覧頂きたく存じます。

とある被削材でのニーズ構成比

とある被削材でのニーズ構成比

上記は、とある被削材のエンドミル加工へのニーズの分布(当社調べ)でございます。対して、以下は全ての被削材におけるエンドミル加工のニーズの分布(同じく当社調べ)でございます。

エンドミル全般でのニーズ構成比

エンドミル全般でのニーズ構成比

全般的なニーズよりもはるかに高く、半分近い45%のお客様が加工品位に課題をお持ちの被削材、それはアルミ、正しくはアルミニウムでございます。ということで、今月のイチオシは非鉄用DLCエンドミルでございます。

非鉄用DLCエンドミルシリーズには、2種類のDLCコーティングを使い分け、4ラインナップを用意してございます。

コーティングの名称特長適応シリーズ
DLC-SUPER HARD薄膜タイプで切れ味重視AE-TS-N、AE-TL-N
DLC-IGUSS(アイグス)厚膜タイプで長寿命AE-VTS-N、PXAL

では、4ラインナップについてご紹介してまいりたいと存じます。

AE-TS-N

非鉄加工に適した3枚刃の標準仕様の短刃で、φ3~25までのスクエアとラジアス、計38アイテムをラインナップし、加工品位が求められる加工にお薦めでございます。以下、従来品との対比でございます。従来品に比べ、はるかに良好な加工面を実現できることがお分かり頂けるかと存じます。

AE-TL-N

AE-TS-Nのロング刃で、刃径φ3、4、5、6、8、10、12、16、20、25のスクエアに、各径3Dと5Dの刃長をラインナップした全20アイテム。AE-TS-N同様、大きな心厚で高剛性、ロング刃長でもビビり難く、優れた切りくず排出性で安定した加工を実現いたします

AE-VTS-N

不等リード・不等分割を採用した高能率志向タイプで、高速条件下でも良好な加工面品位を実現いたします。サイズラインアップは、刃径φ3、4、5、6、8、10、12の7サイズにスクエアとラジアスで計35アイテムを用意しております。アルミの高能率加工に自信を持ってお薦めいたします。




PXAL

非鉄用DLCヘッド交換式エンドミルPXMシリーズの1ラインナップで、刃径φ10、12、14、16、18、20、22、25の、刃太タイプを含むスクエア全24アイテムを用意してございます。さらい刃で高品位な加工面を実現するとともに、底刃は中心刃付きで突込み切削も可能、幅広い加工に対応いたします。




以上、アルミニウムの加工をより高品位に、そしてより高能率に加工できるエンドミルをご紹介させて頂きました。本稿も、皆さまのお仕事の生産性向上の一助となれば幸いでございます。

謹言



追伸
すっかり失念しておりました(^^;
今回ご紹介させて頂いた4ラインナップの内、AE-TS-N、AE-TL-N、AE-VTS-Nの3製品は11月12日までキャンペーン中でございます。お求め易いこの機会を是非ご利用頂ければ<(_ _)>

英語ワンポイント /  Walk the talk

Walk the talk
「物事をきちんと実行する(有言実行)」
その話を歩く → 言ったことを実行する → 有言実行(約束を守る)

似たようなフレーズで次のようなものも有ります。

Walk the walk
その歩きを歩く → 不言実行

Talk the talk
その話を話す → 言うだけで実行しない → 有言不実行(口だけ)

ということで、少々耳の痛い(^^;我々編集部の秋晴れの午後……

マサコちゃん:
さらさん、最近よく「DX」って聞きますけど、我が社はどこまで進んでいるんでしょう?

さらちゃん:
そうねぇ……
確かに社内でもよく耳にするし、意識している人も多いと思うけれど、実際はどうなんでしょうね。
うちの部署も詳しい人は居なさそうだし……

そこへ、近所の食堂で昼食を黙食してきた、喋りたくて喋りたくて仕方のない(笑)けんさんが……

けんさん:
ん?なになに?
なんか難しそうな話をしてるね!そんな話はお任せあれ!

(かなり怪訝そうに)
マサコちゃん:
けんさん、DXって分かります?うちの部署も早く進めないといけないですよね。

けんさん:
お?DX!
それならお昼に丁度体験してきたとこだよ(^^)v
今日のお昼はデラックスとんかつ!
とんかつにエビフライが付いてるやつ!知ってる?
キャベツもおかわりし放題\(^o^)/
ん?
何、その顔?違った?

(Oh! No! の顔で)
さらちゃん:
マサコちゃん、訊いた相手が悪いわよ。

(続いて子ども諭す母親の顔でけんさんの方を向いて)
けんさん、いいですか?
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略です。
私たちもデジタル技術を使って業務を変革していかないとダメなんですよ!
分かってますか?

けんさん:
じょ、じょ、冗談だってばぁ...
ちゃ、ちゃんと知ってますよぉ、デジタルトでしょ?
これから、ちょうど勉強を始めるところだったんだからぁ!

(再び、かなり怪訝そうに)
マサコちゃん:
けんさん、本当ですかぁ?
ちゃんと勉強してくださいよぉ。

さらちゃん:
マサコちゃん、そんなの無理よ!

He can talk the talk, but I can walk the talk.
(彼は口だけだけど、私は有言実行出来ます)

私はけんさんとは違って、ちゃんと言ったことは守るわよ。
私はこの英語力をもっと高めて、活躍したいの!
そのための努力と準備は怠らないわ。

マサコちゃん:
さすがさらさん、カッコイイです。
誰かと違って!(チラっとけんさんを見る)

マサコちゃんに見られているとも知らず、必死にパソコンでDXを調べているけんさんなのでした。

かくなる上は、けんさんがWalk the talkで、
このメルマガにもデジタルトランスフォーメーションの波をもたらしてくれることを期待したいものでございます。
by橘礼子

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