メニュー
検索

メールマガジン

2015年6月号 (第114号)

技術の玉手箱 / 超硬合金

 今年も梅雨の時期がやってまいりました。
暑い夏はもうそこまでに来ているのに、続く曇天の空。
今回の玉手箱は、そんな空の話を上海にいる友人と話した時に、ふと思いついたお話です!

 「PM2.5」の環境問題、皆さまも一度は耳にした事ありますよね。
PM2.5は、直径2.5μm(1μm=1mmの1000分の1)以下の非常に小さな粒子が様々な物質の大気中での化学反応によって生成され、肺の奥深くにまで入り込みやすく、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系疾患や循環器系疾患などのリスクを上昇させると考えられています。

 とりわけ中国の環境問題が大きく取り上げられていますが、他人事ではないですよね。
日本でも同じくPM2.5には要注意なのです。
粒子が細かくなって体内に入ってくる・・・考えるだけで恐ろしい問題ですが、
実はこの”粒子が細かくなる”という事、少し表現を言い換えて”粒子を細かくする!”という事は、
工具業界にとっては決して悪いことばかりじゃないのです。

 最近の切削工具の主流となっているのは、超硬工具。
硬度も高くて耐摩耗・耐熱性に優れ、長寿命、高速加工も可能になってきました。
しかし、硬度が高くなる事で、欠けやすいという欠点もあるのです。
ですから超硬の工具を使用する上では十分注意が必要なのですね。
そこで、超硬合金の主成分であるWCを微粒化することで、耐摩耗性は維持しつつ、
靭性(欠けにくさ)を改良した、超微粒子超硬合金が誕生したのです!
最近では、粒子がより細かくなり超々微粒子超硬合金!なんて言われることもあるのですよ。

 人体に影響するような粒子が細かくなるのは勘弁願いたいのですが、
我々が使用する工具の成分となる粒子が細かくなり、より使い勝手の良い理想に近いものが出来るのであれば
それは幸いですよね~

上海にいる友人には、これからも体調に十分注意して健康に過ごしていて欲しいですし、
私達も時に環境問題というものに目を向けて、一人一人が改善に繋がるような行動を取るよう
心がける事が出来れば、もっと良い生活環境が待っているのでしょうね♪

‘K爺’のイチオシ商品 / EcoCut

 謹啓、入梅の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。OSGの窓際の自由人、K爺でございます。このコーナーでは、モノづくりを取り巻く様々な知見とともに、OSGのイチオシ工具を紹介して参ります。皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。

 円安効果で、モノづくりの国内回帰が進んだと言われる昨今ですが、皆さまの実感は如何でございましょうか?ある自動車メーカでは輸出を増やす方向との話も伺いました。
 さて今月は、モノづくりの国内回帰に伴う増産への一助として、多機能旋削工具、“EcoCut”を紹介させて頂きます。

能率向上のニーズをお持ちのお客様の89%に評価
 “EcoCut”は、段付きの内外加工の高能率に最適な工具でございます。中でも内径の段付き加工で高能率を実現する工具でございます。例えば、こちらのようなワークを加工するとしましょう。

【サンプルワーク略図】

【サンプルワーク略図】

従来の加工方法では、外径・端面加工用、内径・端面加工用ホルダ、ドリル、底刃がフラットなドリルの合計4本が必要となりますが、“EcoCut”でしたら1本で全加工が可能でございます。こう書きますと、高能率というよりも工具の集約が可能な工具のように思われると存じますが、さにあらず、加工時間も大幅削減が可能なのでございます。以下、加工時間の比較グラフをご確認下さいませ。

【同上サンプルワークの加工時間対比】

【同上サンプルワークの加工時間対比】

外径加工など、工程比較では “EcoCut”の方が時間を要している工程もございますが、ワークの反転、工具交換が不必要な上に、更には内径加工の大幅短縮でおよそ35%加工時間の短縮が図られていることがお解かり頂けると存じます。

 結果、ご利用頂いたお客様の内、能率向上ニーズのお客様におかれましては、89%のお客様にご満足頂けております。

 本号も、日本のモノづくりの生産性向上、競争力向上に寄与出来れば幸甚でございます。

謹言

今月のFAQ / 工作用・検査用の違い

【Q】止まり側ゲージの工作用と検査用の違いは?

【A】ゲージ公差位置に違いがあります。一般的に現場で使用される事が多いのが工作用。最終検査や企業間の受入で使用されることが多いのが検査用となります。工作用の方が検査用に比べて設定位置が厳しくなっています。

工作用で合格する方が難しく、工作用で合格したねじは必ず検査用で合格する・・・という考え方に基づいています。

英語ワンポイント / This is she/he

職場でサラちゃんが電話に出た際のお話。
どうも海外のお客様から問い合わせの模様です。

サラちゃん:オーエスジー株式会社です。
相手:×△□○(聞こえません)
サラちゃん:This is she, hi, Ben, how are you?

ん、This is she?性別について聞かれたの?文法おかしくない?
電話が終わるのを見計らって早速質問です。

僕:This is she. っていきなり性別について聞かれたの?
サラちゃん:あはは、私宛ての電話だったんでThis is she. って答えたんです。
電話の際、「○○さんいますか?」と聞かれて「自分です」と答える場合、男の人だったらThis is he、
女の人だったらThis is sheと答えるんです。友人同士だったらIt's me!とかSpeeking! とかも言うけれど、
ちょっとカジュアルすぎるから職場や仕事上ではNGですね。

とのこと。

ちなみに会話の内容はこんな感じ。

Ben : Hello, this is Ben calling. Is Ms. Sarah available? ( May I talk to Ms. Sarah please?)
サラちゃん : This is she, hi, Ben, how are you?

普通に考えて「これは彼女です。これは彼です」な~んて文法的にはNGですよね。
テストで書けば間違えなく大きな×が付くことは中学英語レベルの僕でも分かる!
もしも、誰か知り合いと「おまえ、彼女いるの?うん、実は彼女がいて~・・・」と話をした後に「彼女が例のコです!」なんていう場面ならありでしょうけど、会社の電話での会話ではないですよね。
でも、このフレーズ、日常的に良く使い、間違いでもなんでもないそうです。

海外旅行でホテル等に宿泊の場合、部屋に電話がかかってくることもあるかと思います。
そんなoccasion【場面】では是非、格好良く決めたいものです。

メールマガジンの新規登録・退会はこちら