メールマガジン
2025年7月号 (第232号)

キッチンでは……イモや人参の皮などの「野菜くず」
学校や職場では……用済みのプリントやメモなどの「紙くず」
DIYや建築現場では……のこぎりを使うと出る「木くず」
さしたる価値もない不要物として扱われ、誰の記憶にも残ることもなく、ただ捨てられていく……「くず」は暮らしのあちこちでよく見かけます。
さて、切削加工においても当然ながら「切りくず」はつきものです。対象物を指示通りの寸法や品位に削り出す、というそもそもの加工目的からすれば、削り出された切りくず自体には何の値打ちもありません。
ですが、今号ではあえてその「切りくず」に積極的に目を向けることの意義を、ぜひお伝えしたいと思います。
「はぁ??だって捨てるだけの無価値なものじゃん!?」
そんな声が聞こえてきそうですが、実はそうではありません。
なぜなら、切りくずには切削工具が適切に機能を果たせているかどうかを見分ける重要なヒントであるからです。
こちらはスパイラルタップによる、様々な切削速度でのSS400(軟鋼)の切りくず形状です。
切削条件ごとに生じる切りくずの形は、決してすべて同一というわけではなく、それぞれ違いがあることがわかります。
スパイラルタップはその特性として、加工中に生じる切りくずがタップの進行方向に逆らって、ねじれた溝を通りながらシャンク側に排出されます。ですから、切りくずのくるくると巻いたカール径ができるだけ小さく、全体的なボリューム感がコンパクトに抑えられているほど、スムースにねじれ溝から排出されやすくなり好都合といえます。そうした意識であらためて各切りくずを眺めてみると、メーカ推奨切削速度8~13m/minに該当する切りくず形状は、それにふさわしい「良い」形状であることがうかがえます。
なかでも10m/minでのそれは「理想的」ともいえる姿です。対して推奨領域から外れて極端に低すぎたり、高すぎたりする場合の切りくずは巻きが大きくなり、排出時に溝で引っかかるリスクが高い、すなわち「良くない」形状になっています。
そもそもタップ加工の目的は、きまり(JIS精度など)を満たす「めねじ」を得ることです。よってゲージによる合否確認さえクリアさえしていれば、切りくずの形状なんかいちいち目を向けなくても……という考え方もあるかもしれません。
しかし「良い切りくず形状」を得ることは、「トラブルの起こりにくい安定したコンディション」で加工できていることの重要な証です。単発加工ならまだしも、複数箇所をいくつも加工しなくてはならない量産案件であれば、なおさら気にかけておくことで生産性向上にもつながります。
いずれ捨てられてしまう悲しい宿命を背負った切りくずたちが訴えかけてくる熱いメッセージに、ぜひ気付いてあげてくださいね!
(※JIS規格では切削工具分野における表現として「切り粉」ではなく「切りくず」を用いています)

謹啓、小夏の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
shaping your dreams -お客様の夢をカタチに-
唐突ではございますが、七夕の折、当社のタグラインをつぶやいてみました。今月は、そのタグラインにこめた想いを具現化するイチオシを、先月同様にOSGグループからお届けしたいと存じます。
私たちの製品はお客様とのコミュニケーションから生まれます。信頼され、心から満足していただける製品とサービスを提供するために、オーエスジーでは、工具を通したお客様との対話を「ツールコミュニケーション」として最も大切にしています。「shaping your dreams」お客様一人ひとりの夢をカタチにしたい。その思いを原動力に挑戦を続け、世界のモノづくり産業を地球規模で支えていきます。
今月のイチオシは、「お客様の希望通りの製品を協調開発する」ことをテーマに事業展開するOSGグループのノダプレシジョン(株)の製品でございます。ノダプレシジョン(株)の得意とするモノは、下図のような焼結ダイヤモンドや超硬製の多段のドリルやリーマです。
複数の工程を集約し、生産性向上や高品位加工に寄与いたします。時には工具の設計図をその場で描きながら、お客様と意見交換をしつつ問題解決に最適な仕様の複合工具を開発する、それがノダプレシジョンの協調開発でございます。
生産性向上はもとより、工程削減や使用する工具の削減など、原価低減ニーズ、位置精度や同軸度の向上などの高精度ニーズなど様々な課題を、お気軽にご相談いただければと存じます。
また、上述の協調開発によるオーダーメイド工具の他、裏面取り付ダイヤリーマやヘッド交換式PCDザグリカッターもご用意しております。
本稿も、皆さまのSDGsな課題解決として、また、お仕事の付加価値や生産性の向上に貢献できれば幸いでございます。
謹言

OSG月刊メールマガジン「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。
今回、ご紹介するお土産は、グループ会社であるノダプレシジョン株式会社の築山より推薦の河内ワイン「マスカットベリーA KONTOKUYA樽発酵2019」です。
推薦コメント:
大阪という豊かな食文化に育まれ、メジャーリーガー・ダルビッシュ有の出身地としても知られる、ワインと世界遺産の街、“大阪府羽曳野市”に店舗を構える河内の老舗ワイナリー【河内ワイン】。
山や川に恵まれた土地である駒ヶ谷には多くのぶどう畑が広がっています。丁寧に樽の中で熟成されたぶどうによって完成された、地元民に愛されるワインです。
赤・白・スパークリングと種類も豊富で、特に私のイチオシは赤ワインの “マスカットベリーA KONTOKUYA樽発酵2019” です。
肉料理はもちろんですが、意外にも、大阪名物であるお好み焼きとも相性が良いですよ!
「ワインとは、“和飲”である。」
それが創業80年を超えた【河内ワイン】の辿り着いた答えだそうです。
【河内ワイン】はノダプレシジョンから車で10分ほどの場所にあります。ワイン通の方や大切な記念日などをお祝いしたい時には是非、【河内ワイン】をおすすめします。
河内ワイン
〒583-0841 大阪府羽曳野市駒ヶ谷1027
http://www.kawachi-wine.co.jp/index.html
ノダプレシジョンは穴加工向け焼結ダイヤモンド工具を始め、超硬工具、CBN工具などの複合加工を得意とする"オーダー品製造メーカー"です。1984年の設立以来、「特殊工具だからこその付加価値」を追求して世界のモノづくり産業に貢献してきました。
2005年にオーエスジー株式会社のグループ会社となり、2017年には社名をノダ精工から現在のノダプレシジョンに変更しました。
従業員数は約60 名です。OSGグループの中でもかなり複雑な特殊形状の工具を製作するのが特長ということもあり、職人気質のあるメンバーが揃っています。販売・技術・製造・管理部門と、全員それぞれの仕事にプライドを持って励んでいます。
これから更に高みを目指していく為に、技術・提案力・対応力を向上させ、高能率化やコストダウンを追求して、お客様のニーズに応えていきます!