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2022年11月号 (第203号)

技術の玉手箱 /  タップ加工あれこれ

先日閉幕しましたJIMTOF2022。4年ぶりのリアル開催となり大変多くの方にオーエスジーブースにお越しいただきました。

ご来場いただいた皆様、大変ありがとうございました。リアルで見て・触れて・感じる展示会のWEBとは違った良さを感じていただけましたでしょうか。

オーエスジーは、JIMTOF2022で新しいAタップシリーズのA-XPF他を発表させていただきました。A-XPFの詳細はK爺にお任せするとして、今回の玉手箱は、タップ加工についてのお話を届けしたいと思います。

めねじを加工する方法は様々ありますが、最もポピュラーなのはタップでの加工ではないでしょうか。タップにも種類があり、それぞれの特徴を理解することで、状況に見合った工具選定ができると思います。まずは、簡単に各タップの特徴について、お話ししていきます。

ハンドタップ
 ストレート溝で切りくずは溝に収容する。切りくずが粉状になる被削材向け。

スパイラルタップ
 ねじれ溝で切りくずはタップの進行方向の反対側に排出する。止り穴用。

ポイントタップ
 食付き先端のポイント溝で切りくずを前方へ排出する。通り穴用。

スレッドミル
 ヘリカル切削によりねじを加工。切りくず処理性に優れ、1本の工具で径の異なる同一ピッチのねじの加工が可能。

ここまでご紹介しためねじの加工方法は、被削材を切削して切りくずを生成する方法です。めねじ加工においてこの切りくずは加工トラブルの原因になることも多く、いかに切りくず処理を適正に行うかは、加工をする上での重要なポイントです。

このタップの切りくずトラブルの解決策のひとつに、切りくずを生成しない「転造タップ」での加工があります。


転造タップ(ロールタップ・溝なしタップとも呼ばれる)
 被削材を塑性変形することでねじ山を形成するため切りくずが発生しない。

切りくずが発生する「切削」ではなく「塑性変形」でめねじを加工しますので、加工する上で切削タップと転造タップで異なる点があります。下記にまとめてみました。

まずは、下穴径が切削タップと転造タップで異なります。切削タップは、下穴径がそのままめねじの内径になりますが、転造タップは下穴径がそのまま内径として残りません。

また、転造タップは塑性変形でねじ山を形成しますのでめねじの山頂が割れたような形状になりますが、これは転造タップで加工しためねじの正常な形状です。

上記のように切削タップとの違いはありますが、切りくずを出さないため、切りくずトラブルがありません。切りくずトラブルによる工具交換時間や、堆積した切りくずを除去する際の機械停止時間が削減でき、安定した連続加工となるため、消費電力を抑制したSDGsな加工が可能となります。切りくずトラブルにお困りのお客様は転造タップをご検討してみてはいかがでしょうか。

技術の玉手箱は無料WEBセミナー「ランチタイムセミナー」で、より詳細な情報を加えて講師が解説します。今回の内容は11月22日(火)12:20~12:35にお届けします。お申し込みは下記からお願いいたします。

ランチタイムセミナーのお申込みはこちらから。

K爺のイチオシ /  A-XPF

謹啓、深秋の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

4年ぶりのJIMTOFでしたね。JIMTOFは、今でこそ東京ビッグサイトで開催されていますが、1962年の第1回は大阪で開催され、しばらく大阪と東京の交互開催だったのは遠い昔。今ではご存じない方の方が多いかもしれませんね。

おっと、話が脱線してしまいました。では早速。

吾輩は新しいコーティングである。名前はまだ無い(笑)

今月のイチオシは、JIMTOFに先駆け名称公募と相成りました新しいコーティングを採用した、新しい転造タップ、『A-XPF』でございます。

転造タップ、それは究極のタップ加工を実現する、魔法のようなタップ(玉手箱参照)。切削タップを用いた加工に付き物の切りくずトラブルはなく、工具の耐久性も抜群に優れる。OSGには『S-XPF』という自慢の転造タップがございます。以下はカタログからの抜粋ですが、従来の転造タップに比べ、トルクが40%、発熱が20%低減できたS-XPF。

『A-XPF』はそこからどう進化したのか?何が違うのか?かいつまんでご説明申し上げたいと存じます。『A-XPF』は下図の通りスラストが低減され、且つ振幅が小さくなっていることが最大の特長です。

それは、新発想の食付き仕様(特許)のもたらす効果でございます。食付き時のタップへの負荷を低減することは、突発的な欠けや折損を抑制し、より高速での加工を可能にします。

また、冒頭申し上げましたように新しいコーティング(名前はまだ無い…しつこい?失礼しましたm(__)m)が施され、全サイズに粉末ハイスを採用した『A-XPF』は、下図のようにタップへの負荷の大きい高硬度材の加工、更に負荷の高まる高速加工で、より、その効果を発揮いたします。

『A-XPF』のラインナップはM1~M6のサイズ範囲で、M2.6以下は食付き2P、M3~M6には2Pと4Pの2タイプ、全18アイテムをご用意いたしました。

ん?M2.6以下は食付き2Pのみ?何かの間違いじゃ?いえいえ、間違いではございません。そこには明確な意図があるのでございます。おっと、話が長くなりそうでございます。その辺りの話は折を見てまたの機会にm(__)m

とまれ、従来の『S-XPF』よりも、もっと早く、もっともっと安定した加工をお求めのお客様に、開発者が絶対の自信をもってお薦めする『A-XPF』でございます。

本稿も、皆さまのお仕事の採算性や付加価値、生産性の向上並びに、我々の生産活動のSDGsな課題解決の一助となれば幸いでございます。

謹言

OSGお土産100選 /  Salzstange

OSG月刊メールマガジン201号からの新企画「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。

JIMTOF2022では、たくさんのご来場ありがとうございました。オーエスジーブースを走る鉄道模型が気になった方も多いのではないでしょうか。こちらはドイツの老舗模型メーカMärklin社とOSG GmbH(オーエスジードイツ)とのコラボレーションをご紹介する展示でした。

ということで、今回のお土産100選はOSG GmbHでCustomer Service Managerを務めている小鉢より推薦の「Salzstange」です。

OSG GmbH小鉢推薦コメント:
「Salzstange」は「ザルツスタンゲ」と読みます。イメージ的にはプ〇ッツをハードにして塩味にした感じです。

ドイツでは、どこのスーパーでも買える、ビールのお供の定番です。日本ではドイツのお土産というとチョコレートやHA〇IBOのグミなどが有名ですが、私はこの「Salzstange」をお勧めしたいです。このお菓子単体だとあまりにも塩辛い、でもビールと組み合わさるともう止まりません!

コロナ禍が落ち着いたら是非ドイツにお越しください。


OSG GmbHは2002年9月に設立されました。現在はドイツのゲッピンゲン (Göppingen)に拠点を構えています。工場やオフィスのほかに加工技術をサポートするOSG Academyも併設されています。オーエスジーブースを走っていた模型のMärklin社も同じくゲッピンゲン (Göppingen)に本社を構えていることから今回のコラボレーションにつながりました。

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