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2022年10月号 (第202号)

技術の玉手箱 /  ねじの山やせ

加工したねじの止り側ゲージが止まらないという経験はありませんか?
どうして止り側ゲージが止まらないのでしょう?

それは、「ねじ山がやせているから」かもしれません。

ということで、今月の玉手箱は「ねじの山やせ」をテーマにお届けします。「山がやせる」現象についてご存じではない方もお見えになるかもしれません。止り側ゲージが止まらない原因の1つとして覚えておいていただければと思います。

では、「山やせ」とはどのような現象のことなのでしょうか。止り側ゲージが止まらない訳ですから何らかの理由でねじの径が大きくなってしまっていることはご理解いただけると思います。ただ、「山が痩せている」のに径が大きいという表現に違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。「痩せた」と言うと小さくなるイメージがありますよね。ねじの場合は山がやせるとねじの径(つまり有効径)が大きくなってしまいます。その理由をご説明します。

ねじはご存じの通り1回転で1ピッチ進みますので、タップ加工もタップは1回転で1ピッチを正確に進まなくてはいけません(1条ねじの場合)。この、1回転1ピッチが崩れてしまうことで、めねじの形状も崩れてしまうのです。下の図は1回転で1ピッチの同期がずれて、1ピッチ以上進んでしまった場合の図になります。

この1回転で1ピッチの加工を、より正確に行うためには加工機の同期(シンクロ・リジット)機能が有効です。加工機で回転と送りを同期させて加工しますので正確に加工ができます。また、同期用に専用設計されたタップを用いることで加工能率を上げた加工も可能です。同期機能を使用してタップ加工を行う場合、回転と送りのずれを気にする必要がなくなりますので、フロート式のタップホルダではなく固定式のタップホルダの使用を推奨します。

これで加工環境は万全。

と、思いきやタップ加工時に突発的なトラブルや寿命が安定しないケースが見られます。その原因として同期が僅かにずれることでタップに負荷がかかりトラブルや寿命を低減させることが考えられます。この僅かな「ずれ」を吸収してくれるのが微小フロート機構付きのタップホルダです。オーエスジーでは「SynchroMaster(シンクロマスター)」の名称で取り扱っています。シンクロマスターは過去に3度、K爺のイチオシでも紹介しましたので、過去のメルマガもご覧いただければと思います。
※SynchroMasterは、同期送り機構付きの機械専用のタップホルダです。

2018年9月号(第153号)

2019年10月号(第166号)

2021年3月号(第183号)

技術の玉手箱は無料WEBセミナー「ランチタイムセミナー」で、より詳細な情報を加えて講師が解説します。今回の内容は10月26日(水)12:20~12:35にお届けします。お申し込みは下記からお願いいたします。

ランチタイムセミナーのお申込みはこちらから。

K爺のイチオシ /  タップに大切なアレでSDGs

謹啓、秋冷の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

イチオシの前に拙宅の話で恐縮なのですが、
夏のボーナスもあらかた消えた先月の給料日のことでございます。

唐突に、有無を言わさない勢いで妻が申したのです。
「ねえ、今月からお小遣い減らさせて貰うわよ!」
と(^^;

妻曰く、物価、特に光熱費の高騰が家計を圧迫し、この先の老後を考えると、小爺の細やかな小遣いすら減額せざるを得ないのだと。確かに、ガソリン代も急騰しているし……と、統計局の消費者物価指数を確認してみたところ、直近で一番安かった去年の1月に比べ、今年の7月は28.5%も高くなっている!!!皆さまにとっても、電気代の高騰は招かざるものではないでしょうか?

※総務省統計局ホームページのデータより作成

※総務省統計局ホームページのデータより作成

ということで今月は、タップ加工のコストダウンに、お手軽に貢献できそうなイチオシを紹介させて頂きたいと存じます。

グラフ①

グラフ①

グラフ①は、食付き1PのA-SFTを用いて、被削材S45CにねじサイズM4X0.7を加工した比較グラフでございます。切削速度は10m/min。食付きの短いタップを使用しますと、折損が増えたりして、耐久性に満足頂けないことが多ございます。本事例でも、平均およそ200穴と、短い耐久性しか得られておりませんでした。しかし、あるものをイチオシに変えて頂くことで、耐久性を約4.8倍まで向上することできました。つまり、タップ費用が80%近く抑えられた計算になります。

グラフ②

グラフ②

グラフ②も同じく、あるものをイチオシに変えて頂いた、タップの耐久比較グラフでございます。こちらはSCM440(30HRC)に、食付き2PのS-XPFを用いてM10X1.5のねじ加工をしたものでございます。切削速度は15m/min。些か硬い被削材に食付きの短い転造タップでございますから、タップにとってはなかなかハードな加工でございます。ともない耐久性も、従来では平均440穴と厳しい状況にありました。それがイチオシにより、約2.5倍向上し、1,000穴近くまで耐久性が改善されたのでございます。

その他、実際にイチオシを使われたユーザ様から、タップの寿命が2倍に伸びたり、突発的な折損が抑えられたり、加工条件をあげて生産性向上が図られたり、イチオシ+αで切りくず残りが解消され省人化が図れたり……といった嬉しい声も届いております。

以上、さて、イチオシとは何でございましょう?
こちらでございます。

タップに係る費用にご満足いけない時は、ぜひご一考頂けたらと存じます。

本稿も、皆さまのお仕事の採算性や付加価値、生産性の向上並びに、我々の生産活動のSDGsな課題解決の一助となれば幸いでございます。

謹言

OSGお土産100選 /  雲平さん

OSG月刊メールマガジン201号からの新企画「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。

今回ご紹介するのはオーエスジーグループの株式会社日新ダイヤモンドのマスコットキャラクター「ダイヤン」推薦の一品です。

ダイヤンおすすめのお土産はとも栄の「雲平さん」。滋賀県無形文化財・名筆「雲平筆」にちなんで「雲平」と名づけられたどら焼きです。
(写真は西近江湖風菓とも栄ホームページよりお借りしました。)

ダイヤンコメント:
ダイヤンが働いている「株式会社日新ダイヤモンド」は琵琶湖のほとり、滋賀県高島市にあるよ!

滋賀県は神社仏閣の数では日本一。 日本のハワイと呼ばれる琵琶湖、日本一のパワースポット竹生島(ちくぶじま)、日本で一番長いメタセコイヤの街道、そして日本一のダイヤモンド切削工具を作っている日新ダイヤモンドがあるヤン!

「雲平さん」は栗が入った粒あんと、抹茶あんの2種類があってどちらもとってもおいしいよ。ANA国際線の機内食にも選ばれているヤン。とも栄さんは日新ダイヤモンドから車で15分ほどの場所にあるので、琵琶湖観光の際にはぜひお立ち寄りください!

マスコットキャラクター「ダイヤン」

マスコットキャラクター「ダイヤン」

「雲平さん」は滋賀県指定無形文化財に認定されている名筆「雲平筆」を制作している「攀桂堂(はんけいどう)」の筆氏のお名前にちなんでいるそうです。雲平の名前は代々受け継がれており、現在の雲平さんは十五代目。その歴史は400年以上になります。

平安時代に伝わったとされる巻筆(紙巻筆)の技法をつたえるのは、日本で唯一雲平筆だけだそうです。熟練の技能と手間暇をかけて作られた雲平筆は多くの書家に愛されています。

日新ダイヤモンドは1968年設立。雲平筆や「雲平さん」のように皆様に末永くご愛顧いただける製品をお届けできるよう、ダイヤンと一緒にこれからも頑張っていきます!
ダイヤンはTwitterアカウントも開設していますのでぜひフォローください!

ダイヤンTwitterアカウント
https://twitter.com/nissindaiyan

西近江湖風菓とも栄
https://www.sweet-tomoe.com/
雲平さん

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