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2023年12月号 (第213号)

技術の玉手箱 /  増えてます!高精度加工

切削加工は私たちの暮らしを支えるあらゆる分野にかかわっていますが、中でも近年注目を浴びている医療・半導体・電子機器におけるニーズはひと昔前から比べると大きく様変わりしてきています。

例えば穴加工でいえば穴の直径がうんと小さく、しかもシビアな仕上り寸法が求められるいわゆる「高精度」加工が急増しています。では、こうした加工にあたってどんな注意点が必要でしょうか?

同じ直径2mmのドリル2種類を例に考えてみましょう。加工深さ5D、超硬製で一つは小径穴加工に特化したタイプ、もう一つは一般用ドリルの直径2mmサイズとします。

A:小径用 
直径許容差:0~-0.009mm

B:一般用
直径許容差:0~-0.022mm(h8)

「許容差」は基準となる寸法に対して許される限界値との差です。言い換えると「許されるばらつきの領域」となります。同じφ2ですがAの方が小径用だけあってばらつき幅のより狭い、シビアな直径設定がされていることがわかります。

では、こうして厳しく作り込んであるドリルさえ用いれば、無条件に狙い通りの穴径に仕上がるのでしょうか?

残念ながら答えは「ノー」です。

例えば、メンテナンスの不十分なガタの大きい加工機で加工したとしたら……ドリルが加工中に不規則に振り回されて、想定以上に大きすぎた穴径に仕上がってしまうことは容易にイメージできますよね。一度大きく仕上がった穴径を小さく手直しすることは物理的に不可能ですから、結果的にこの加工は「不良品」となってしまいます。

ですから、最適な「工具選び」だけでなく、あわせて最適な「使用環境」を確保することも必要です。

具体的に推奨加工環境を見てみましょう。小径ドリルは1分間あたりの回転速度20,000min-1超えといった高速回転領域で使われることもありますので、取付け時の振れが命取りとなることもあります。よって、先ほどの小径用Aの推奨条件においては、取付け時の振れ精度の目安として0.002mm以下を推奨しています(当然ですがコレット・ホルダなど周辺機器の選定・取付け方も相応のレベルが求められることになります)。

ちなみに、汎用Bの取付け振れ精度の目安は0.02mm以下です。こうして比べてしまうと大きな差に感じられるかもしれませんが、汎用加工においては基本性能が十分活かせるレベルです。ただ、精度をさほど重視しないケースであっても、できるだけ取付け時の振れを抑えておくことは、加工中の切れ刃の摩耗の偏りが減り、長持ちするメリットが得られますので、ぜひ日常的にお心がけをおすすめします。

高精度加工のニーズは、今後もますます増えてくることが予想されます。それに伴い、工具の仕様として通常は一対しかない外周マージンを、複数設けることでさらなる直進安定性アップを図ったり、より深い穴であっても切削油の供給量を十分確保できるよう、独自の油穴形状を採用しているものもあります。きちんと備えれば高精度加工も決して怖くありません!上手に対応しましょう!

小径ドリルの一例

小径ドリルの一例

謹啓、師走の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。先月も触れた話で恐縮でございますが、小爺は、毎年大晦日の前後2~3カ月は特に、時の経過の速さを痛感するのでございます。さて、時は金なり...

今年最後のイチオシは、
「加工工程が多いので、集約したい」
「加工難易度のわりに、利益が少ない」
等々、貴重な時間を大切に使いたい皆さまにお届けいたします。

工具径3mmで実に25枚の刃を保有する、超高能率志向のエンドミルでございます。

まずはこちらのショート動画をご覧くださいませ。



ご覧頂いた、超硬合金(88.5HRA)をVf=1,000mm/minで加工しているショート動画の説明欄に概要として、「硬脆材用工具ブランド6C x OSGのPCD-MRMによる……」と記載されておりますように、今月のイチオシはPCD-MRMでございます。と、その前に「硬脆材用工具ブランド6C x OSG」の説明を…

「6C x OSG」は、2022年3月に誕生した、硬脆材用工具の新しいブランドでございます。「OSGの匂いのする怪しいブランド」と怪訝に思われているようなお話も聞き、紛らわしい事態となっていることは不徳の致すところと反省するものでございます。至らず、誠に申し訳ございません。

新しいブランドは、従来のOSG製品では寄り添えなかった、我々にとって未知なる世界に新たな付加価値をお届けしたい、そんな想いの詰まったものでございます。ご理解頂けますと幸いでございます。

さて、PCD-MRMでございますが、PCD(多結晶ダイヤモンド)で作られた、実に刃数の多いラジアスエンドミルでございます。その多い刃により、高能率と工具の長寿命化を志向したものでございます。その効能の一例は、こちらでご確認くださいませ。

電着工具での加工や放電加工に満足いかない時に、PCD-MRMをご検討頂けたら幸いでございます。また、「6C x OSG」には、今回ご紹介いたしましたPCD-MRMの他、
PCD-MXD(PCDドリル)
PCD-MCM(PCD面取り工具)
PCD-MTM(PCDスレッドミル)
のラインナップの用意もございます。形状加工に限らず、硬脆材加工でお困りの際には「6C x OSG」を思い出して頂ければ幸甚でございます。

本稿も、皆さまのお仕事の付加価値や生産性の向上、SDGsな課題解決として貢献できれば幸いでございます。

謹言


追伸
「6C x OSG」は新しいブランドではございますが、従来のオーエスジー製品同様のお求めも可能でございます。詳しくは最寄りの販売店さま、当社営業へお問い合わせくださいませ。

OSGお土産100選 /  和菓子菜の花 月のうさぎ

OSG月刊メールマガジン201号からの新企画「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。

今回、ご紹介するお土産は厚木営業所菅野より推薦の「和菓子菜の花 月のうさぎ」です。

推薦コメント:
神奈川県西部にお越しの際にたべていただきたいお土産は、小田原市にある和菓子店「和菓子 菜の花」の人気商品「月のうさぎ」です。

饅頭の中には、あんこに包まれた栗が、贅沢に丸ごと1個入っており、ひとつが大きめなので非常に食べ応えがあります!

お客様におすすめのお土産をお聞きしたところ、この「月のうさぎ」を紹介していただき、とっても美味しかったので今回推薦いたしました!

和菓子好き、栗好きの方はぜひ召し上がっていただきたいです!

神奈川県西部の中でも、新幹線の停まる小田原市。海も近く山もあり、箱根温泉も近いので、とっても過ごしやすい街です!

「和菓子 菜の花」さんは、小田原駅の近くに店舗があります!ぜひ足を運んでみてください。

厚木営業所の菅野(左)と鳥海(右)

厚木営業所の菅野(左)と鳥海(右)

菅野は、2023年に入社した新入社員です。13年間バスケットボールをしてきましたが、現在はゴルフ上達に向けて週4で練習しています。最近のマイブームは休日に温泉へ行き、サウナで整うことです!

営業活動では不慣れなことが多く、大変だと感じることもありますが、優しいお客様をはじめ、鳥海所長や先輩の加藤さん、中村さんといった、本当に多くの方々に支えていただきながら、神奈川県を走り回り、営業活動をしています!お客様にもっともっと貢献できるよう、精進してまいります。

和菓子菜の花

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