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2017年1月号 (第133号)

技術の玉手箱 / 下穴径

本日は「切削タップの下穴径」についてのご紹介です。

一般的に切削タップの推奨下穴径の目安は、外径-ピッチで計算します。切削タップでは、下穴径がそのままめねじの内径になるので、例えば、M10×1.5では推奨下穴径は10-1.5=φ8.5となりますが、旧JIS2級の内径寸法は8.376~8.676mm(公差0.3mm)なので、最大φ8.676まで大きくしても合格です。

φ8.676まで大きくすると、最小下穴径φ8.376に対して削りだす体積を28%も減らすことができたうえ、溝部のチップポケットも大きく確保できるので、切りくず詰まりなどのトラブルを未然に防ぎ、タップの寿命も向上します。

次の表は、下穴径の違いによる切削量の体積比率をまとめてみました。(旧JIS2級)

【下穴径の違いによる切削量の体積比率】

【下穴径の違いによる切削量の体積比率】

【下穴径が加工に与えるメリット】

【下穴径が加工に与えるメリット】

表より、最小下穴径に対して最大下穴径では、タッピング時の切削量を25~30%も減らせることがわかりますね。穴加工では切りくずを排出するスペースが少ないので少しでも切りくずの量を減らすことが重要です。タッピング時にこの知識がお役に立つとうれしいです。

‘K爺’のイチオシ商品 / AE-VMS

謹啓、初春の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。OSGの窓際の自由人、K爺でございます。このコーナーも連載が始まり早4年になろうとしております本年、少しイメージを変えてお届けしたいと思います。ということで、改めましてよろしくお願いします(^o^)

2017年最初のイチオシは、先月に引き続きAE-VMSで参ります。JIMTOFでの発表以降、多くのお客様にお使い頂き、嬉しいお言葉が当社営業に届きました。今月はそのご評価の声を少しご紹介まで。こう書くと宣伝色が強いですが、本コーナーが始まった際に申し上げた通り、皆さまの生産性に寄与したいK爺でございます(^^;

まずはAE-VMSのおさらいから
・・・一言でいえば防振型(不等刃、不等リード)の超硬エンドミルですが、とにかくバリの抑制に留意した、とても切れ味の良いエンドミルでございます。では、当社営業がお客様から頂いたコメントの抜粋です。

「切削音が静か!」
「溝加工をしたところ、バリが少ない、小さい、というかほとんど発生しなかった。」
「側面加工での仕上げ面がきれい。従来の等刃エンドミル以上かも!」
「とても良い工具。」
「SUS304の加工でバリも少なく、非常にきれいな加工面。」
「不等刃不等リードでこの価格は安い!」

と、高能率加工を高品位に、しかもリーズナブルに実現できたお客様の声は、AE-VMSの製品コンセプトを十分に活かして頂けたなぁと嬉しく思っております。とはいえ、良いお話ばかりではありません。残念なお話もありますので、そちらも隠さず紹介しますね。

「従来から使っている他社工具の耐久の半分まで加工したところで刃先が欠損」

AE-VMSの切れ味がアダとなってしまったようです。従来お使いのエンドミルが刃欠けで耐久となるような場合や高硬度材にAE-VMSを試用頂く場合には、刃先への負荷を抑えるよう使用条件を調整することが必要となることもありそうですね。

昨秋、新たなAブランド品としてリリースされたAE-VMSを再度イチオシとして紹介させて頂きました。『あらゆる局面で様々なお客様の期待に応えられる万能な工具』とはなかなか参りませんが、皆さまの夢をカタチに、AE-VMSと本稿が皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。

謹言

【Q】 ラフィングエンドミルでのコースピッチとファインピッチは何を意味する?

【A】 ニック溝(あるいはR溝)のピッチがコースピッチは標準、ファインピッチは細かく設定されています。

特徴
・ファインピッチは細かい切りくず
・コースピッチは大きな切りくず

切削負荷
■S50C
・基準条件では差異がない
・高送りの場合にはコースピッチの負荷が少ない
■F250
・基準条件でもコースピッチの負荷が少ない
・高送りは更にコースピッチの負荷が少ない
■高負荷加工
・コースピッチの負荷が少ない

英語ワンポイント / screwed

さらちゃん:
「I’m screwed! I screwed up my data! すみません、昨日提出したデータ、メールごと削除してください!」

とある日の朝、出勤早々、あいさつもそっちのけで、さらちゃんが何やら上司にお願いごとをしています。昨日、作ったデータの確認を上司に依頼していた様子。

上司の「了解!差し替えデータなるべく早くよろしく!」の言葉を聞き、「すぐに修正します!」と続けるさらちゃん。そんなさらちゃんと上司のやり取りを聞いていたマサコちゃんがさらちゃんに問いかけます。

マサコちゃん:
おはよう、さらちゃん!大丈夫?データ作成手伝う?

さらちゃん:
ありがとう!マサコちゃん!!でも自分でやらないとわからなくなっちゃうから、頑張る!!

マサコちゃん:
了解!何かできる事あれば声かけてね。ところでどんなねじのデータなの?
それとも、さらちゃんって実はサイボーグ!?

さらちゃん:
えっそこ!?私の存在そのものを疑うの!?ねじのデータでもサイボーグでもないはずだけど・・・
あっ、もしかしてI’m screwed!のこと?

マサコちゃん:
そうそう!よかったさらちゃんが人間で(笑)

さらちゃん:
聞き取れたのは褒めたいけど、人間かどうかから疑われるとは・・・まあ、いいか。
スクリューはマサコちゃんが言うとおり、「ねじ」と同じ「screw」なの。
でもI’m screwedとかI’m screwed up とかI screwed it upとかっていう風に使うときは「ねじ」という意味で使うのではなく、「あぁ、しまった!間違えた!もうめちゃくちゃになってしまった!」という時に使うスラングなんです。

言ってみればI made a mistakeとかと一緒の意味で、たいてい「I’m sorry」と一緒に使うかな。でもI made a mistakeよりスラングな分なんとなく切迫・焦った感じの雰囲気や状況で使います。

なので当然、会議とか堅苦しいフォーマルな場面では使えないですけどね。

マサコちゃん:
へー、そうなんだ!説明ありがとう、さらちゃん!

さらちゃん:
Your very welcome.ということで、データ修正します!

始業開始のベルの前にまずは腹ごしらえ・・・とすごい勢いでコンビニのおにぎりをかじりだすさらちゃん。
マサコちゃんの何か言いたげな視線を感じたのか、「だって私、サイボーグじゃなくて人間だから、朝ゴハン食べないとお腹すいちゃうもん!」と返すさらちゃん。いや、そこじゃなくて、ゴハン粒が・・・・
・・・最後までしまらないさらちゃんなのでした。

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